シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「事務所が送迎してくれる事が多かったけど、用事があって歩いて帰ったりするとたまにね。
でも俺のいたバンドは他のメンバーの方が人気だったから、俺はまだよかった方だけど」
五十嵐さんよりも人気があるメンバーが揃っていたら、芸能界広しといえど敵なしなんじゃないのかな。
私のは完全に欲目だけど。
それを分かった上で言うけど、実は五十嵐さんひとりでも今芸能界に戻ってもトップに立てるんじゃなかなとか思ったりしてるのに。
上には上がいるんだな、と本気で感心する。
「明日、絶対社内に噂になってますよ。
下手したら入口で入り待ちしてる社員とかいるかも」
五十嵐さんは、私と付き合ってる事だけじゃなく、同じ会社に勤めている事も全部言ってしまったから。
その理由がまったく分からないのだけど。