シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「ごめんね。葉月にも迷惑かける事になって」
「なんで……全部言っちゃったんですか?」
その問いかけに、五十嵐さんは悲しそうに微笑んで。
「堂々と葉月と並びたかっただけだよ。
前芸能界にいたからって葉月ばかり面倒で危険な目に遭わせるのが嫌だった。
だったら全部バラして、その足枷をとりたかった」
「ひとりの男として葉月といたかったんだ」と言う五十嵐さんを責める事はできなかった。
何をするにも元芸能人って立場が邪魔をして好きに行動できない事はよく知ってる。
一緒に遊園地に行こうだとか、映画に行こうだとか、近くの公園にお弁当持って行こうとか。
五十嵐さんは私をいろんな場所へ誘ってくれたけど、私は人の目が気になってそれをほとんど断ってきた。