シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「早く葉月を抱き締めたかったんだけど、ジャケットが邪魔だって言うから」
「邪魔だなんて言ってません。汚しちゃうって言っただけで。
その前に、ジャケット着てなくても外でこんな事するのはダメです」
「だからちゃんと部屋まで我慢しただろ?
これなら思う存分抱いてもいい?」


“抱き締める”から“抱く”に変わっていく事に気づいて、じわじわと顔に熱がこもっていく。

抱き締められたままだから幸い赤くなった顔は見られずにすみそうだけど……。

五十嵐さんの身体も熱を持っている気がする、なんて思っていると頬に触れた手に無理やり顔を上げさせられてすぐにキスされる。

やっぱり少しおかしいかもしれない。
いつもはこんなに強引でも激しくもないのに……今日の五十嵐さんは変だ。

咥内全部を味わいつくすようなキスにどうしたんだろうと思いつつも、身体はどんどん火照っていってしまう。
五十嵐さんの体温や香りに反応して。



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