シークレット ハニー~101号室の恋事情~
ベッドに下ろされてもう一度キスをされた時にはもう、私からも求めていた。
「私も、我慢できない」
手を伸ばすと、その手を握った五十嵐さんが手の甲にキスをする。
もう、明日の事なんて頭になかった。
五十嵐さんに、酔いしれて溶けていく。
五十嵐さんと一緒にいると、幸せになる事なんて簡単だと思えてくるから困る。
つまり、それほどまでに、この人は私を満たしてくれるって事で。
「葉月……好きだよ」
五十嵐さんの言葉ひとつで、微笑みひとつで。
私はどっぷりと幸せ漬けされてしまうのだから、我ながら本当に簡単だ。
五十嵐さんの存在が私の幸せだなんて、五十嵐さんには絶対に言えない。