シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「例えば私じゃなくても、私と同じように芸能界に詳しくない人が隣だったとしても。
五十嵐さんは好きになったんじゃないのかな、って思っちゃうんです。
私である必要はなかったんじゃないかって」


五十嵐さんは今私と付き合っているのだし、五十嵐さんの気持ちを疑っているだとかそういうわけでもない。

今うまくいっているんだし、私じゃなくてもよかったんじゃないかなんて、今更そんな事を考えても仕方ないのは分かっているんだけど。
ずっと、その疑問が晴れる事なく私の中にあって、たまに顔を出す。

普通の人が相手だったらそんな事も思わなかったのかもしれないけれど。
やっぱりどこかに不釣り合いだって思っている部分があるからかもしれない。

五十嵐さんが大切にしてくれているのは分かるのに、未だにちっとも自信が持てずにいる。

私自身にも……五十嵐さんとの関係にも。



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