シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「俺を浮かれさせられるのも地に足をつけさせるのも、葉月だけだ。
それが他の誰かだったら、なんて考えた事もないよ」


少しは分かってくれた?と聞かれて、ハっとして慌ててはいと頷く。
五十嵐さんがあまりに嬉しい事を言うから、危なく泣きそうになるところだった。

ここが会社だって事も、部長が同席してるって事も忘れて。
危ない。


「ポスターの事は、五十嵐さんが納得したものならいいんですけど……でも、こんなポスター貼ったらこれから野田が広める噂の裏付けになっちゃうんじゃ……」


野田が、この会社にあの五十嵐篤志が働いてるって言って回った場合。
このポスターがあるのとないのとじゃ信憑性が大きく違う気がする。

そう思って心配していると、五十嵐さんじゃなく部長が答えた。



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