シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「だって、そうも思うじゃないですか。五十嵐さん、何も言ってくれなかったし」
「葉月は色々考えすぎるから、言うなら直前の方がいいかと思ったんだ。
でも絶対に反対されると思ってたから、どう納得させようか考えてたんだけど……まさか俺に任せてくれるとは思わなかったから嬉しかった」
ありがとうと目を細められて、私も同じように微笑んだけど。
ひとつの言葉が引っかかって、顔をしかめた。
「……直前?
ところで社内放送っていつ流すんですか?」
まさか今日じゃないですよね。
そんな意味を込めて聞いた私に、五十嵐さんがにっこりと笑ってそれを肯定する。
「ちょっと待ってくださいって言ったじゃないですか……!
五十嵐さんだって笑って納得してくれたハズじゃ……」