シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「うん。だから昼休みまで時間があるよ。
葉月なりに整理したい事もたくさんあるだろうから、それまでゆっくり……」
「足りないですっ。だって後四時間くらいしかないじゃないですか!」
「あまり長い時間考えさせて違う答えに辿りつかれても困るしね」
「時間もらったって……答えは変わらないです。
私はただ、覚悟決める時間が欲しいって言っただけで考え直そうとも思ってなかったのに、今日の今日だなんて……。
っていうか、私の意思なんて関係なしにもう最初から今日のお昼に放送するって決まってたんじゃないですか」
ごめんねと申し訳なさそうに微笑む五十嵐さんに、そんな小悪魔的微笑みになんて騙されないですからと強く言う。
五十嵐さんの決断についていくって言った以上、何も言うつもりはないけれど。
私がそう答えを出すと読まれていた事がなんだか悔しい。
さすがの五十嵐さんだって、私が大反対したらきっと公言なんてしなかったハズだ。
私が強い意志を持っていれば、それを押し切ってまで無理やりどうにかするような事はできない人だって知ってるし。