シークレット ハニー~101号室の恋事情~
◇非日常的な朝
考えてみれば。
昔から、弱ってる時に声をかけてきた人にふらふらと惹かれて行っちゃうタイプだった。
野田に惹かれたのだって、そうだ。
高校二年生の時、風邪で休んでる間に、勝手に球技大会の実行委員にされて、その仕事がめちゃくちゃ忙しくて、友達との約束をドタキャンした事があった。
そのせいでひとりの子に陰口を叩かれて、しかもそれをタイミング悪く聞いてしまって。
放課後の教室で凹んでいた時、野田が『どうかした?』って声をかけてきてくれたんだ。
別にって答えた私に、『頑張ってるご褒美』ってパックジュースをくれた野田に、惹かれたんだっけ。
その次付き合った人は、社内の飲み会で気分が悪くなった私を介抱しれくれた違う課の人だった。
今更だけど、こう考えてみると、私って結構簡単な女なのかも。
ちょっと優しくされたくらいでガード解いちゃって、付き合っちゃうとかどうなんだろう。
今思うと、自分の辿ってきた恋愛道を、学生かって突っ込みたくなる。
まぁ、つまり、何を言いたいかって言うと、あんまりいい恋愛をしてこなかって事なんだけど。