シークレット ハニー~101号室の恋事情~


私の使っているものより一回り大きなベッドの上で上半身を起こすと、ブラウンのカーテンが視界に入ってうなだれた。

まだ五十嵐さんの部屋にいるとか、どうなってるの私……。

がっくりと頭を落としながら、チラって隣に視線をやる。
まさか隣に寝てたらどうしようと思っての覗き見だったけど、そこに五十嵐さんの姿はなかった。

もしかしてソファーで寝てるのかな。
それとももう起きたのか。

どっちにしても、寝室のドアを隔てた向こうに五十嵐さんがいるのは明確で、その事実に大きなため息をついた。

気持ちの割合としては、バツが悪いなって気持ちと、気恥しいって気持ちが半分ずつくらいだけど、我ながらその配分は少しおかしいと思う。

昨日の事は、どちらかと言えば五十嵐さんが行った事なんだから、私が弱気になる必要なんかない。
被害者です!って顔して堂々と傷ついた顔でもしていればいいのかもしれないけど。

なのに恥ずかしいだなんて気持ちになるのは……。
きっと、彼を求めた自分を知ってるからだ。




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