シークレット ハニー~101号室の恋事情~
正直かなりの鬼コーチだったから、なんでこんな事ができないの!なんて言葉に、二、三度本気で諦めそうにもなったけど。
冗談言えるような仲になった今となっては、いい思い出だ。
「税金、これで全部ね? 締めちゃっていい?」
「はい、お願いします」
福島さんが税金を整理してくれてる間に、窓口にある機械に入ってる現金を数えたり、伝票を数えたり。
日中忙しかった割には、実際の現金とデータ上の現金も無事一致して、緊張していたフロアの雰囲気も緩和される。
早く片付けちゃおうと席に戻って色々と整理をしていた時。
隣に座っていた福島さんに話しかけられた。
「雨宮、金曜日の夜、何かあった?」
「えっ……なんで金曜日の夜限定で聞くんですか?」
五十嵐さんとの事件があったのが、金曜日の夜なだけに、そこを指定して聞いてきた福島さんは何か知ってるんじゃ……?と不安になりながら聞く。
だけど返ってきたのは、五十嵐さんのいの字も関係していない言葉だった。