シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「え、そうなんですか?
その割には一貫して鬼コーチは変わらなかった気がするんですけど」
「私、学生の頃運動部だったから。可愛い子ほど厳しくして仕事で使える人間に育て上げたいって思っちゃって。
でも、よかったでしょ? 私が鬼だったおかげで、同期の中では雨宮が一番仕事できるでしょ」
「それは、はい。感謝してます」


確かに、他の同期よりは覚えている仕事も多いし、結構突っ込んだ稀にしかこない内容の仕事もある程度なら知ってる。

今は窓口業務だけど後方事務もできるし、一人でそれなりの仕事をこなせるように仕込んでくれた福島さんには本当に感謝してる。

まぁ、鬼コーチっぷりは凄まじくて、そのせいで会社に行くのが憂鬱になった日もあったけど。

その辺は、私も体育会系だったから乗り越える事ができたのかもしれない。
スポ魂具合でも、気が合っていたのかも。


「でも、そんなに好きだったの? 野田さんが」


話を戻した福島さんに聞かれて、少し考えてから答える。





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