シークレット ハニー～101号室の恋事情～

「雨宮、自分からは近づかないけど、こっちから行けば拒まないでしょ？
だから、別に距離置きたいわけじゃないんだって思ったんだけど……あれ、もしかして違う？」


急に眉を寄せて不安そうな表情になった福島さんに、思わず笑いながら首を振る。


「合ってますよ。本当にそんな感じですし。
ただ、相手からすると、いつまでも追いかけてる気になるみたいで……そこから不安になっちゃうのかも」
「あー、確かにね。見返りがないっていうか、こっちばっか好きみたいに思えてきちゃうのかもねー。
そう考えると、野田さんは雨宮の取りたい距離感保ちつつ上手くやれてたんだね」
「まぁ……結局他の問題でダメになっちゃいましたけど」


デリカシーのなさに愛想がつきて。

まだ二度の恋しか知らないでこんな事言うのもあれだけど、恋ってうまくいかない。

恋人って特別な関係を保つために、お互いの色々な考え方や行動を受け入れたりしなくちゃならない。
私のしてきた恋は多分……受け入れるとか、そういう次元に達してないんだと思う。