シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「でも私が悪いらしいです。もう、なんなんですかね」


噂に半年耐えてせっかく過ごしやすい更衣室に戻ったと思っていたのに。
これから半年の間、また悪い女扱いされるんだと思うと気が、というより身体全部が鉛みたいに重かった。

持っている雑巾でさえ鉄みたいだ。


「私、放送室に忍び込んで社内放送流してこようか」
「え?」
「大丈夫。まだ開店前だし、前回の女々しい男の事も全部ぶちかましてくるから」
「……それ、全然大丈夫じゃないです」
「事務管理課の男も野……も社内で生き地獄を味わえばいいよ。
雨宮だって半年耐えたんだからもう我慢する必要ないでしょ」


真顔で言う福島さんが怖い。
本気だ、この人。

そういえば以前、福島さんと同じ高校だって人が何課かにいたけれど、福島さんは高校の時裏番だったって聞いた気がする。
実は怖いから目をつけられないように気を付けた方がいいよって。

冗談だと思ってたけど、もしかしたら本当だったのかな。




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