シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。
一応帽子は深くかぶって行ったけど、もう俺の事なんか世間も忘れてるから」
「忘れてたとしても、その外見みたら逆ナンされると思いますけど。
女子高生とかたかりそうだし」
「そんな事より、冷めないうちに食べないと。
手洗っておいで」


まるで子供に言うみたいな五十嵐さんに、妹さんとの記事が頭をよぎる。

血が繋がってろうがなかろうが、兄妹が仲がいいなんていい事じゃない。
むしろ、義理の兄妹なのにそこまで仲良くなれるなんてすごい事だし、お互いの努力がなければそこまで歩みれない。

それを面白半分に記事にするなんてどういう神経してるんだろう。
五十嵐さんの記事といい、社内でのくだらない噂といい、本当世間は下世話で腹が立つ。

本人同士の問題なんだから放っておいてくれればいいのに。


五十嵐さんの買ってきてくれたお好み焼きは、前評判通りほっぺたが落ちそうなくらいおいしかった。
生地がふわふわしていて軽いし、油っぽくもなく、ソースもおいしくて。

三枚買ってきてくれていて、最初は一枚が限界って話したけど、結局きっちり一枚半平らげてしまった。




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