シークレット ハニー~101号室の恋事情~
自分のテリトリーというか、そういうところに踏み込んで欲しくなかったから今までは泊めたり泊まったりしなかった。
別にわざわざ泊まる必要もないし、寝る時くらいひとりがいいとかそんな風に思ってたからだけど……。
昨日の夜は、ベッドが狭くて五十嵐さんもよく眠れないだろうからって理由でしか断ってなかった。
結局押し切られちゃったけど、ひとりがいいだとかそんな事、ちっとも頭になかった気がする。
だからか、こんなシチュエーション初めてでドキドキする。
五十嵐さんの寝起きの掠れた声が色っぽく聞こえて余計に。
「よかった。俺のせいで葉月が寝不足になったらどうしようかと思ってたんだ」
「だったら帰ればよかったじゃないですか。
五十嵐さんの方こそ、うちのベッドで私と一緒じゃ狭かったでしょ? 五十嵐さんの部屋のベッド大きいし」
ぼそぼそと言うと、五十嵐さんはそんな事ないよ、よく眠れたと微笑む。
それを聞いて、ホっとする。
よく眠れてなかったら、と少し心配だったから。