【コメ祭2】クレーム対応










「これ、ウチの店の者の髪の毛じゃありませんな」


「ぬわあにいぃぃぃぃ~~っ!」








やっちまったな。



バカなオーナーだ……あのヤクザ者の怒りを煽るような事を……


「てめえ!何すっとぼけてやがんだ!てめえの店のカレーに入ってたんだぞっ!」


「そうだ、そうだ!何か証拠でもあんのかゴラァ~~!」


二人組のもう片方まで加勢してきた。最悪の事態だな……


「証拠と言うと、DNA鑑定とか?」


「バカヤロウ!そんな悠長に待ってられるかっ!ふざけてんじゃねえぞてめえ!」


「しかし、この髪の毛。長さは10センチ程で黒いですよね?
ウチのウエイトレスの髪はもっと長くて茶髪ですから」


そんな理由で否定したのか……
しかし、そんなのは『火に油を注ぐ』ようなものだ。その料理に携わっていたのは何もウエイトレスだけでは無いだろうに……


「じゃあ、コックだ!コックの髪の毛に違いねえっ!」


「ああ、なるほど!そういう可能性もありますな!
いやあ、気付きませんで」


「つべこべ言ってね~でコックをここに連れてこいっ!ぶん殴るぞこの野郎~っ!」


「かしこまりました。少々お待ち下さい!」


本当に間抜けなオーナーだ。
こんなに客を怒らせておいて、どう収拾をつけるつもりだ!




そして、待たせる事10分……




「おいっ!いつまで待たせるつもりだ!いい加減にしやがれ!」



本当に……コックを連れて来るのに何分かかっているんだ。


やがて、オーナーとともに一人の男がやって来た。


「大変お待たせしました。
この男が、コック長の吉田です」


「どうも……それで、カレーに何が入っていたと?」



「あ…………」


















コック長の吉田は、スキンヘッドだった。




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