キュンラブ†誘惑~Because I love you~年の差恋愛






俺は、深い水底からゆっくり上昇するように目を覚ました。


そっと頭を動かすと、額の上から何かがずり落ちそうになってとっさに手で押さえた。



---濡れタオル


タオルを押さえたまま視線を下げると、俺の脇の下に頭をもぐりこませるようにして、澪が丸くなって眠っていた。



部屋には暗めの間接照明と暖房がつけられ、加湿器が柔らかく蒸気を上げていた。

俺と澪の体の上には、ブランケット。


俺が眠ってしまった後、全部澪がしてくれたんだろう。



左腕を持ち上げて時計を見ると、もう日付が変わる頃だった。



俺はゆっくり体を起こすと、ベッドのサイドテーブルにタオルを置いた。


ベッドから降り、ブランケットと下敷きにして眠っていた上掛けを一緒にめくる。


ベッドを回り込んで澪をそっと抱き上げた。

驚くほど軽くて、壊してしまいそうに感じるほど華奢だった。


上掛けをめくったシーツの上にそっと澪を降ろす。

< 137 / 153 >

この作品をシェア

pagetop