キュンラブ†誘惑~Because I love you~年の差恋愛
不覚
俺はスーツからシャツとジーンズに着替え、キッチンに立っていた。
キッチンに入ってきた澪は、眩しそうに目を細めていた。
冷やしたおかげで腫れは酷くならなかったが、目の縁が赤くなっている。
そのうちしおれた様子が、いつもの澪の雰囲気と違っていてドキリとした。
澪を一度を女として見てしまってからは、もう以前のような『妹』として見れないことに俺は気づいた。
「そこに座って」
キッチンに続くダイニングの傍らに置かれたテーブルを指差す。
「急だったから簡単なものしかできなかったし、味の保障もないけどな」
「ううん、すごくおいしそう」
澪は素直にイスに腰を下ろした。
コーンとチキンのクリームシチューとポテトサラダ。
デザートには得意先でもらったリンゴ。
ウサギの形に皮を剥いた。
みんな澪の好物のはず。