キュンラブ†誘惑~Because I love you~年の差恋愛
執務室の扉の横の指紋認証のチェックを受けて、俺は中へ足を踏み入れた。
オフィスの中は大きく二つの島に分かれていて、向かって左側を洸貴、右側を俺が使用している。
俺のデスク周りにはほとんど物がない。
ゴチャゴチャしているのは機能的でないし、落ち着かない。
反対に洸貴のデスク周りは得体の知れないもの(たいていは仕事に関係なさそうなもの)がバリケードのように積み上げられている。
俺はガラクタのバリケードの向こうにいるであろう洸貴を呼んだ。
「なに?」
案の定、洸貴はガラクタの中からひょっこり顔をのぞかせた。
「今ちょっといいか?」
俺は部屋の奥にあるソファーセットを指差した。
洸貴は栄養ゼリーのパウチを口に咥え、逆さ向きに跨った椅子のままキャスターで滑ってくる。
見た目は大学生の頃から変わらない洸貴は、洗い晒しの白いシャツに細身のデニム、足元はなんと裸足だった。