キュンラブ†誘惑~Because I love you~年の差恋愛
ソファの上には、洸貴が使ったらしい毛布がくちゃくちゃに丸まってのっかっていた。
どうやらまたこの部屋に泊まりこんでいたらしい。
俺は毛布を押しやりソファーに座ると、ビジネスバッグの中から封筒を取り出し洸貴に差し出した。
「昨日の案件で、相手側から追加でリクエストがあった分。
詳細はデータにして近日中にラボ宛に送信されて来ると思う」
「ふぅん。じゃ、紙はいらない」
俺は差し出した封筒を引っ込めた。
このくらいのことで一々動じていてはコイツとは付き合えない。
「今後の具体的な内容については向こうの担当者と直接やり取りしてくれ。
それ以外は俺に振ってくれればいい」
洸貴はゼリーを吸いながら、コクンと頷いた。
その幼い仕草が澪と重なる。
今まであまり意識したことはなかったが、さすが兄妹だけあって似ている。
洸貴は俺ほどではないが背が高く、スラリとしていて中性的なきれいな顔立ち。
黒目がちの大きな目、色白で色素が薄いところは澪とそっくりだ。
俺が不躾に見詰めていたせいか、洸貴は少し首を傾げた。