キュンラブ†誘惑~Because I love you~年の差恋愛
洸貴と俺は毒気を抜かれ、モデルばりのキャットウォークで近寄ってくる妃紗子を黙って見つめた。
「リアルで会うのは久しぶりよね、洸貴と柊司」
妃紗子は洸貴のデスクに向かって歩いて行くと、ガラクタの築くバリケードを見て形の良い眉を顰めた。
「洸貴ったらあいかわらず中身以外は、小汚いわね。
『掃き溜めに鶴』を身をもって現してるところかしら?」
妃紗子は、まずは低血圧で動きの鈍い洸貴にターゲットを絞ったようだった。
「ほんとキレイな顔ね。
大学生のころとかわらないじゃない?
どんな魔法使ってるの?
童貞なの?」
---それは30才過ぎて童貞だと魔法が使えるようになるという、ネットで囁かれている噂のことか?
「童貞では、ないけど?」
無表情のまま、首を傾げた洸貴が生真面目に答えた。
「あら、そうなの?
残念だわ。
私も魔法をかけてもらおうと思ったのに」