君の返事は…
食事を終えて母さんがエリに聞いた
「花火大会いくんでしょ?浴衣はお母さんの借りるの?」
「あ…いえ、母はもう亡くなっていないんで父と二人暮らしなんです」
「あら、んじゃ浴衣はあるの?」
「実は着たこと無いんです」
「こんなかわいいのにもったいない。そうだ!良かったら家にある浴衣着てくれない?」
「いえ、そんなダメです。悪いですから」
「それに家の浴衣って古いだろ!そんなのダサくてエリも嫌だろ」
と俺も口を挟む
「とりあえず、見てから決めてちょうだい。絶対エリちゃんに似合うから!」
「ったく!しょうがねぇな、見るだけだぞ。行こうぜエリ」
「ちょ、ちょっと」
強引にエリを連れて行った
実は少し彼女の浴衣姿に興味があったから…

タンスから出てきたのは以外にも普通の浴衣で、いやむしろ綺麗な浴衣だった
「…かわいい」
エリの口からこぼれた
「気に入ってくれた?んじゃ決まりね。楽しみだわ。やっぱり女の子はいいわね」
「…本当に、ありがとうございます」
エリはすでにボロボロ泣いていた

俺はこの時嬉しくてただ泣いてると思っていた。
エリの事をまだなんにも知らなかった…いや、知ろうともしなかったんだと思う
ただの恋するガキだったんだから
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