君の返事は…
ただただペダルを漕いでいると人だかりが見える
「ハルキ君!」
誰かが呼び止めた
振り返ると宮雄の彼女が俺を呼んでいる
「エリちゃんが…エリちゃんが」
ぐしゃぐしゃの顔で俺のシャツを下に引っ張る彼女に対し
「エリな訳ないよな…だってアイツ頑張るんだって…俺と一緒なら頑張れるって」
宮雄の彼女の肩を抱き上げ
「勘違いなんだろ!みんなで悪い冗談やめろよ!ふざけんな!」
ただ彼女は下を向いて泣き崩れていた

ただ俺はその場でエリの家を、恥ずかしいと言っていたその小さい家をただ見てる事しか出来なかった
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