優しい彼に愛されて。
松本君の真剣な瞳がそれをさせなかった。
「…柚ちゃんに本気なんだよね」
「本気…?」
「そう。好きなんだ、柚ちゃんのこと」
え…
だって私達今日、それも数時間前に出会ったばかりで。
それに松本君は加夜ちゃんの好きな人で。
私なんて好きになっちゃいけないんだよ。
「俺さ前から柚ちゃんのこと知ってて」
「え…?」
「まぁ柚ちゃんのこと知ってるの俺だけじゃなんだけど。
南高の一ノ瀬柚って言ったら有名なんだけどね」
有名…私が?
「だから今日は会えて本当に嬉しいんだよね」