インディアン=スノー=ディ
あれは、
小学校1年生か、
2年生の頃だったと思う。
春先の、朝だった。
その日は、
すごく濃い霧が街を覆っていた。
通りの反対側の物さえ見えない程で、
耳が、痛くなる程静かだった。
朝の弱い光が、濃い霧に反射して、
妙な具合の明るさを作っていた。
まるで、
冷めかけた夢の中にいるような感じで、
見なれたはずの街が、なぜかよそよそしく見えた。
「霧がね、
このくらい濃くなると、
霧っては言わないんだよ。」
学校へ行く道の途中で、みいちゃんが言った。
ぼくとちえちゃんは、みいちゃんを見た。
「インディアン=スノーって言うんだよ。」
小学校1年生か、
2年生の頃だったと思う。
春先の、朝だった。
その日は、
すごく濃い霧が街を覆っていた。
通りの反対側の物さえ見えない程で、
耳が、痛くなる程静かだった。
朝の弱い光が、濃い霧に反射して、
妙な具合の明るさを作っていた。
まるで、
冷めかけた夢の中にいるような感じで、
見なれたはずの街が、なぜかよそよそしく見えた。
「霧がね、
このくらい濃くなると、
霧っては言わないんだよ。」
学校へ行く道の途中で、みいちゃんが言った。
ぼくとちえちゃんは、みいちゃんを見た。
「インディアン=スノーって言うんだよ。」