インディアン=スノー=ディ
ぼくは、

空になったガラスの
コップの外側についた
無数の水滴を

しばらく見ていたけれど、

ぼくの頭には、
彼女の言うように、

ふっと
考えが浮かんできたりは
しなかった。



クーラーの効かない
真夏の午後の
けだるい眠りから覚めて、

ぼくは、

どんな夢を見たのかは、
すっかり忘れてしまっていたけれど、

夢の気分だけ噛みしめて、

これが人生なら、
とても悲しい…

と、思った。

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