インディアン=スノー=ディ
「だから」

ちえちゃんが、
事態を収集するように言った。


「ダメって解ってる時は、
深刻になる前に
手を引いた方がいいって事。」

でも、それは逆効果だった。


ここまでくると、
彼女がここに居ようが居まいが、
ぼくが彼女を好きかどうかとか、
そんな事は
どうでも良くなっていた。


「おまえ、
いつも、そうなんだろ。
なんで
傷つかないようにするんだよ。」

ちえちゃんは黙っていた。


「傷ついたり、
傷つけたりする事で
壊れちゃうのが恐いのか?

それは、
そんな程度の付き合いしか
しないからだろ、
おまえが。」


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