インディアン=スノー=ディ
彼女も
じっと、
ぼくが言うのを聞いていた。


「もっとさ、
近付いてみろよ。

自分を見せなきゃ、
相手だって見せてくんないんだぞ。

自分をさ、見せる事とか、
相手を知る事とか、
そうゆう事から逃げるなよ。」


ぼくは、少し落ち着いてきた。


「傷つかないって、
裏切られないって、
言い切れないけど…、

少なくても、
オレは裏切ったりしないから。」


しばらく、しんとした。


また、
彼女が立ち上がって、
部屋を出て行って、
濡れた布巾を持って戻ってきた。


ぼくたちは3人とも、
融けたアイスで
手がベトベトだった。


少し、
空気がやわらかくなった。

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