インディアン=スノー=ディ
公園の入口まで来た時、
ぼくはまた間が持たなくなって、
しゃべりだした。

「1個、聞いていい。」

「ん?」


「以前にさ、
良いことばっかりで
生きてきた人なんていないって、
言ってたことあったじゃない。」

彼女は
ジャングルジムをぐるりと
周りながら聞いていた。

「辛いこととか、
悲しいこととかあって、
どうしてそんな風に笑えるの。」


彼女は立ち止まって、
ぼくの方を見た。

ぼくをじっと見ていた。
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