インディアン=スノー=ディ
美しいものも、
醜いものも、
まだ何も知らないような…、

もしくは逆に
全てをもう、
許してしまったような、
真直ぐな瞳だった。


ぼくが
その瞳に耐えられなくなって、
瞳をそらそうかと思った時、
やっと彼女は口を開いた。


「私にも、
辛いことや
悲しいことが無い訳じゃないよ。

でもね、
辛いことや苦しいこと位で、
小さくなったり薄れたりするような、
そんな弱っちい幸せじゃないの。
私のは。

私は、
幸せだから笑ってるの。」

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