青色キャンバス
「……ふっ……」
次第にキャンバスの青空が歪んで見えた。
蛍ちゃん……
蛍ちゃんの青空、私大好きだった…
私はあんな青空…
描けないよ…
「私…はっ……」
―グシャッ
真っ黒の絵の具で描いたばかりの青空を黒で塗り潰す。
「蛍ちゃんの青空…どんなだったかもう思い出せないよ…」
ねぇ、だからもう一度…
私に描いて見せてよ…
「蛍ちゃっ……」
辛いよ……
まだあなたの面影が消えないんだよ。
真っ黒な空にポタポタと涙が染みを作る。