青色キャンバス
「あのおじさんさ…」
「ん?」
秋君は向かいの窓の外をながめながら呟く。
「先輩の絵に魅力を感じたって言ってたじゃん?」
「うん、恐れ多いけどね」
でも嬉しかった。
私の絵にも価値があって、私自身も認められたような気がしたから…
「俺もそう思う。先輩の絵ってなんかこう、人を惹き付ける力があるんだよ」
人を惹き付ける力……?
……私の絵が?
「先輩の絵を見てると、俺も頑張らなきゃって思う。もっと先輩に近づきたいって」
「秋君………」
秋君の言葉はうれしい。
でも私には踏み出す勇気がない。
過去すら受け止められない私に、未來を見つめる事なんて出来ないよ…