青色キャンバス






「……大丈夫って、大丈夫なわけないだろ!!なんで辛いって言わないの!?怖かったって泣かないんだよ!!」


「秋君………」



秋君、どうして秋君が泣きそうな顔をするんだろう……


私、平気なのに……


「先輩…先輩にとって甘える場所は東先輩だったんだろうね。東先輩がいなくなって、先輩は無くしちゃったんだ…」


「無く…した……?」

「先輩のよりどころ、先輩が唯一甘える事が出来た安全な場所だよ」

「あっ……」



そうだ………
私は無くしちゃったんだ…


私の居場所を………
あの人の温もりを………



「先輩、代わりにはなれないかもしれない、でも……俺の傍では、安心して甘えて欲しい。俺が先輩を守るから…」


代わり…なんて……
蛍ちゃんの代わりには誰もなれない。
それと同じように、秋君の代わりだっていないんだよ……










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