青色キャンバス


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入学式の翌日。
私は放課後の部活動をしていた。


「真白先輩〜」


キャンバスに向き合い、目の前の花をデッサンしていると、二年生の後輩の佐藤 菜緒(さとう なお)が私に声をかけた。


「菜緒ちゃん、どうしたの?」


菜緒ちゃんは私の隣に椅子をもってきて困ったように一枚のデッサンを見せてきた。


花…とはお世辞でも言えないデッサン。


菜緒ちゃん、の瞳が"助けて"と訴えている。


「大丈夫だよ菜緒ちゃん。私もね、最初は本当に下手くそだったの」

「雛先輩が!?ありえないですよ!!」


もの凄い血相で叫ぶ菜緒ちゃんに私は小さく笑う。


「本当だよ、ほら…」


私は中学生の時初めてデッサンした花の絵を菜緒ちゃんに見せた。


「うわ!!本当だ!!」

「正直でよろしい」

「あっ!!すみません!!すみません!!」


菜緒ちゃんは慌てて私に頭を下げた。










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