青色キャンバス
「……阿呆ね、真白」
「あ、阿呆………?」
「そんくらいでヘコタレてんじゃないわよ」
ヘコタレて…………
「失いたくないなら戦いなさいよ。そこでただ泣いて、立ち止まってる事なんて誰にでも出来るのよ、真白」
ただ泣いて……
立ち止まってるだけなら………
「………守りたいものがあるなら、自分の手で守るのよ」
「私………」
「ん?」
私…は………私は…
「守りたいです、美術部……守りたいっ……」
だって蛍ちゃんが守ってきたんだもん…
菜緒ちゃんが楽しみにしてるんだから……
「美術部…守りたいです。どうしたら…どうしたら守れますか…?」
「ふふっ、戦い方ならいくらでも教えてやるわよ」
不敵に笑う先生。
この後、先生は先生達を脅して掌握。美術部は存続する事になった。
先生は私に賞を取る事が私の戦いだと言って絵画コンクールを薦めてくれた。
この時初めて、誰かの為にじゃなく私自身の守りたいモノの為に、何より自分の絵がどこまで通用するのか、試したい、そう思った。
気付けば、私自身の為に絵を描いていた……