青色キャンバス
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「綺麗!!」
「絶景じゃーん!!」
皆が旅館の前の海を見て感激の声を上げる。
「旅館も綺麗だし、海も綺麗だし!最高ですね!」
「…………………」
海……か……
やだな、この部屋海が一望出来る。
なんか、辛い……
「先輩??」
「あ……ごめんね、何かな」
いけない、菜緒ちゃんの話聞いてなかった……
「先輩、やっぱり具合悪いんじゃ…」
「大丈夫だよ、着替えようか」
私は水着を取り出して笑顔を浮かべる。
これから海へ行く事になったのだ。
「先輩……はい!!」
菜緒ちゃんが笑顔を返してくれる。
「先輩の水着、ちょー可愛いですね!!」
菜緒ちゃんは私の白地に青い花が描かれたのビキニを指差す。
「そうかな?でも水着、去年のだから小さいかも」
着てみるとなんだか胸のあたりが……
「ナイスバディ羨ましいです!先輩、胸でかいしー!!」
「ええっ…そんなないよ?」
「見て下さい、私の可哀想なくらいに貧相な胸を!!むう~っ…牛乳飲も!!」
ガッツポーズをする菜緒ちゃんがすごく可愛い。
「菜緒ちゃん、菜緒ちゃんはそのままでいいんじゃないかな?」
「ええっ、どうしてですかー!?」
「菜緒ちゃんは今のままでも十分可愛いもの。笑った顔も、落ち込んだ顔も、なにより明るい菜緒ちゃんが私はすごく好きなの」
菜緒ちゃんが可愛くないわけがない。
ぎゅっとしたくなる。
「はうっ……先輩、可愛いのは先輩ですよ!!」
菜緒ちゃんはぎゅっと抱きついてくる。
やっぱり……可愛いなぁ……