青色キャンバス
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ー秋side
「いらっしゃいませ!ねぇ、君、何食べたい?」
「キャーッ!!」
女達の悲鳴が沸き上がる。
「ざっとこんなもんか」
「何がざっとだ。お前、今日はやけに乗り気だな」
志賀さんは苦笑いを浮かべ、俺の頭を小突いた。
「俺、最近は浮かれてるかも。特に今日は!」
「はいはい、もったいぶるな、話したいんだろ?」
さすが志賀さん、俺の気持ち分かってるな…
やっと想いが通じて付き合えた。
今もまだ、東先輩の事を想ってるのはわかってる。それでも、俺のものにしたい。
やっと触れる事が出来て、もっと深く入り込めるなら……
俺にもチャンスがあるかもしれないって事だ。
そしていつか、先輩を雛って呼びたい。
先輩が、東先輩の事に向き合えたら……
「前に話した、彼女が来るんですよ」
「お、あの片想いの子か!?」
驚く志賀さんに俺は笑顔で頷いた。
「やったな、お前!モテ男でも落とせない女だしな!」
まるで自分の事のように喜ぶ志賀さんに俺も嬉しくなった。
「今日、店に来るんで」
「おい、まじか。こんな賑わってたら申し訳ないだろ、店終うか?」
「志賀さん、それやりすぎだから。大丈夫、席だけ空けといてもらえれば」
「まかせとけ、窓側空けとくぞ」
先輩………早く来いよ…
俺、こんなに執着するくらい女を好きになったの、先輩が初めてだよ……雛……