青色キャンバス



ー雛side


「………ここ?」


手元のメモとお店の名前を見比べる。


「ラ、プルミエ…エトワール?」

La Première étoile、店にはそう書かれている。
とういう意味なんだろう?


英語は苦手だ。
でも、綺麗な響き………きっと、意味も素敵なんだろうな…


ーカランカランッ



目の前の扉を開けると、心地よい鈴の音がした。



「いらっしゃいませ!って…あ!」


お店に入ると、20代くらいの男性が私を見て驚いた顔をした。


「あ、あの……」


カッコいい男の人………
でも、秋君の姿が見えない……


「秋の彼女だろ?話は聞いてるよ、こっちにどうぞ」



男の人は私を窓際の席に案内してくれる。



「俺は志賀 達海。好きなように呼んでもらっていいから」

「あ、はい!わ、わわっ私…真白 雛です!」


ーガバッ


勢いよく頭を下げると、志賀さんは笑った。


「なんか、秋が好きになった理由がわかる気がするな。そのほんわかした感じが、可愛いしな」


席につくと、志賀さんは私をまじまじと見つめる。


う、見つめられても困る!
カッコいいから、なお緊張するし………あわわわわっ!


「さ、座って?飲み物は何にする?」

「あ、あああの!」






挙動不審な私を見て、志賀さんはまた笑った。


もう、はずかしいよ!!
秋君、早く来てよー!!












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