青色キャンバス
「ちょっと志賀さん、俺の先輩に何ちょっかい出してるの」
志賀さんの後ろから黒いオーラを放つ私の彼氏、秋君がいる。
あ、秋君、白いシャツに、黒エプロン似合うな…
やっぱりカッコいい!
「悪い、お前の彼女だと思ったらつい、兄のような感覚に……」
「先輩が妹なんて贅沢だろ!先輩、いらっしゃい、待ってたよ」
秋君が嬉しそうな笑みを私に向ける。
この笑顔が見れただけで来てよかったなって思うんだよね……
「秋君、こんな素敵なカフェで働いてたんだね。志賀さんも優しそうだし、なんか安心したよ」
「ははっ、先輩、俺がなんかいかがわしい所で働いてるんじゃないかと思った?」
い、いかがわしい………!?
もう、なんで、秋君はすぐそういう事言うんだろう!
「赤くならないの。可愛いよな、雛先輩」
「……………………………」
もう、言葉がでない。
秋君の好きは私をドキドキでいっぱいにする。
「おい秋、あんまり雛ちゃんを困らせるなよ?可愛いからってからかいすぎると愛想つかれるぞ」
「雛先輩が、可愛いのが悪い♪」
からかわれてたんだ………わかってたけど!
でも、秋君がご機嫌なのは私も嬉しい。
それから私は秋君の仕事が終わるまで秋君の仕事姿を眺めていた。