青色キャンバス
「あはは、照れてる先輩可愛い」
机に肘をつき、首をかしげながら私を見つめる目から視線を反らす。
もう、そんな優しい目で見つめないでほしい。
心臓がいくつあっても、足りないよ………
「もう………」
心引かれるのが何故か癪で、でもすぐに満たされた気持ちになって崩れていくむくれ顔。
私は秋君の笑顔に弱い。
すぐに許したくなっちゃう。
「先輩、ご飯おいしい」
「ん、お粗末様です」
ずっとこんな時間が続いたらいいのに………
それでもいつか、私は選ぶんだろう。
蛍ちゃんへの恋か、秋君への恋か……
今はまだ、その結末から目を反らして。
私は………秋君に恋をする。