青色キャンバス


「きゃーっ!!」

「あの子可愛いっ!!」


美術室の前が騒がしくなった。


私と菜緒ちゃんは顔を見合わせる。


「何事かな?」

「私見てきますね!!」


菜緒ちゃんは美術室の扉を開け放つ。


「一体何…が………」


―シタンッ


菜緒ちゃんは何故か開け放った扉を無言で閉めた。


「え、菜緒ちゃん??」


何故に扉を閉めたの??


すると菜緒ちゃんは無言で私の所へ戻ってくる。


「……いました……」

「…うん?」


いましたとは??


「…あの王子様がですよ!!」

「…何かのアニメの話かな?ごめんね、私そっち方面は全然駄目で…」


「違いますよ!!リアル王子です!!」


はぁ。リアル王子=本物の王子様という事はわかるんだけど…


「で、何の話かな?」

「知らないんですか!!?入学そうそう我が校のイケメンの頂点に君臨した秋様ですよ!!」


イケメンの…頂点……?
そんなものがこの学校にはあったんだ…


高校三年生にして初めて知りましたよ。








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