青色キャンバス
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「テーマ、か…………」
「真白さん、何か言った?」
授業中、ポツリと口をついた独り言に、隣の席の男の子に聞かれてしまった。
「あ、ううん、何でもないの。うるさくしてごめんね」
いけない、授業中なのに………
気づけばコンクールの事ばっかり考えてる。
私は窓から見える空を見つめた。
空………
空は私の忘れられない蛍ちゃんへの恋。
じゃあ、秋君は………?
ふと、秋君が告白してくれた時の事が頭をよぎる。
「海………」
秋君はまるで私を受け留め、時に漣のように私の心を波立てる海のようだった。
「そうだ…………」
私の心を占めるもの、蛍ちゃんと秋君……
空と海を描こう。
私の揺れるふたつの恋を絵にしてみよう。
そうしたら、私は進むことが出来るかな?
ちゃんと向き合いたい。
二人に………