青色キャンバス
「とりあえず、その王子様がどうして美術室の前に?」
美術部は部員が私と菜緒ちゃんを含めて幽霊部員が二人。
廃部寸前の部活だ。
「まさか入部してくれるとか!?」
菜緒ちゃんは目を輝かせる。
「その人モテるんでしょ?もっと女の子からモテるような部活に入るんじゃない?」
例えばサッカー、バスケとか…
「ですよねー…はぁ」
菜緒ちゃんは机に突っ伏す。
「部員、集めないといけないんだけどね」
「ですねー…。このまま廃部は嫌ですぅ…
菜緒ちゃん……
私も廃部は嫌。
ここも、蛍ちゃんとの想い出が沢山詰まってるから…
「あぁ〜雛先輩!!どうしよう!!」
「うん、チラシでも作ってみる?」
「チラシ…もですけど、雛先輩の絵を見てもらったらいいんですよ!!」
「私の…絵?」
菜緒ちゃんは何度も頷く。
「雛先輩の絵を見たら皆絵を描きたくなります!!私もそうだったから…」
菜緒ちゃんは恥ずかしそうに笑った。
菜緒ちゃん……
「わかった、やろう」
「ありがとうございます!!」
私達は早速絵を書く準備を始めた。