青色キャンバス
-秋side
-ガチャンッ
閉まる扉の音に、俺は目を開ける。
「雛………」
まだ残る雛先輩の温もりを、シーツ上に探す。
今、さっきまでここにあったのに………
恋なんて、終わるもんだって割りきってたはずだろ?
「なのに、どうしてこんなに………苦しいんだ?」
そうか………
俺が、雛先輩を好きだったからだ。
好きな相手と、想い合うから……恋と呼べるんだな。
俺は、確かに恋をしたんだ。
やっと、本当の恋を知れたのに………
「どうして傍にいないんだよ……」
-ツゥゥ…
涙が流れた。
泣きたいほどに苦しくて、辛いものなのに……
俺はやっぱり、雛先輩に恋して良かったと思ってる。
先輩を好きになって、人が温かくて、先輩と過ごす時間は、俺の心を満たしていった。知らない世界にたくさん気づかされた。
「何度傷ついても、俺はやっぱり……雛先輩を好きになるんだろうな…」
俺、もう他の女は抱けないな…………
体の繋がりに、満たされた事なんてなかった。
欲求の吐き口でしかなかったのに、雛先輩とは違った。
誰かと繋がる幸せに、初めて気づいた。
いつもと違う表情、声、雛先輩を知る度に、俺はもっと深く
雛先輩を抱きたいと思った。