青色キャンバス



「ふふっ、んじゃあ、先輩との約束、果たしてきなよ。美術室にあるから、コンクールの絵。雛先輩に頼まれたんだ」



約束…………
俺に一番に絵を見せてくれるってやつ……


先輩、覚えててくれたのか……
本当に、嬉しすぎるだろ。



「ありがとう、佐藤先輩。俺、佐藤先輩もわりと好きですよ」


やばい、俺。
今すぐ先輩に会いたい。



「行ってらっしゃい、少年!」


佐藤先輩に見送られて俺は美術室へと駆け出す。



「雛先輩の事、お願いね……」


佐藤先輩の呟きには気づかずに…………










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