青色キャンバス
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「蛍ちゃん…………」
私は、蛍ちゃんの眠るお墓の前まで来ていた。
そっと、触れると、冷たくて、まるで蛍ちゃんもここにはいないのではないかと不安になった。
「私、いつまでこうやって泣いてたらいいんだろう……」
もう、雨なのか、涙なのかわからない。
髪からも滴が落ち、服は濡れて重かった。
ふいに、あの事故の日を思い出す。
大切な人を助けたくて、必死に走った。
苦しくて、それでも諦めずに………
助けを求めて、やっと助かるって思ったら、すぐに絶望した。
燃え盛る炎、炎上したバス。
一人だけバスを出た事を、すごく、後悔した。
どうして、私だけ逃げたんだろう。
蛍ちゃんの傍を離れちゃったんだろう。
「大切なら、傍にいれば良かった!!」
どんなに泣き叫んでも、もう、蛍ちゃんは帰ってこない。
「蛍ちゃん………。他の誰かを好きになってごめんなさい。蛍ちゃんの事、置いていってごめんなさい」
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
もう、蛍ちゃんを、一番だと、言えない私を許して下さい。
「蛍ちゃんっ、ごめんねっ…」
たった一人、泣き崩れる。
世界に私だけしか、いないような感覚だった。