青色キャンバス


「先輩………」

「えっ…秋く…っ!?」


―フワッ
秋君は私を抱きしめる。
あの時、秋君と初めて出会った時のように。


「先輩、俺結構モテるんだけど」

「う、うん?」


秋君は突然何を言い出すんだろう。


まぁ確かに秋君はこの学校のイケメンの頂点?で王子様なわけで…


モテるなんて今更わかりきってるんだけど。



「俺の事、女の子達がどんな目で見てるかも知ってる」

「どんな目って……」

「何?先輩。言わなきゃわからない?」

「い、いや…あの……」


恥ずかしくて顔が赤くなる。それはその、恋愛対象とかそういう…


下心…というか……


「赤くなっちゃって、先輩可愛い。そう、あいつらは俺に抱かれたいんだよ」

「だ!!?」


抱かれたいって!!!
なんてはしたない事を!!


高校一年生なんて最近まで中学生だったんだよ?
そんなまだ純粋な男子がなんて事を……


「先輩、男って歳関係無く性欲の塊なの、分かる?」

「せ…ななっ…」


なんて事をこの子は!!!
もう顔を上げられない。


「だからさ、相手にその気があればなんとなくだけどわかるわけ。だから適当に相手してきたけど……」

「適当にって……」


ならこうして私を抱きしめてるのも適当に?


誰でもいいから?


「でもね、あの日初めて先輩を見つけた時…」


あの日……
それは入学式の日の事だと分かる。









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