青色キャンバス
「初めて女を綺麗だって思ったよ」
「は…綺麗……?」
それは私の…事……?
いやいや、私は美人でも、ましてや可愛いくもないし…
「先輩」
「あ…えっ……?」
秋君は私の頬を両手で包み込む。
「先輩は綺麗だよ。だからかな、先輩が泣いてた時、胸が苦しくなった」
「…秋君……」
「先輩、一人で泣かないでよ。俺、先輩が泣いてると思うと授業に集中できないんだよね」
私が泣いてると…って…
どうして??
「泣くなら俺が傍にいてあげる。大丈夫、誰にも言わないし。てか他の男になんか見せたくない」
「どうして……」
「さぁ、どうしてだろうね、先輩?」
な、私に聞かれても…
首を傾げている私を、秋君は意味深な笑顔で見つめていた。
優しくて、偽りの無い笑顔だった。