青色キャンバス
「っ………」
あの時の事を思い出して体が震えた。
再婚相手の息子だ。
「安田…亮……」
安田 亮(やすだ とおる)。私の一つ年上、19で今は大学生だ。
亮さんに私は襲われた。
もちろん最後までではなかったが、いまだに右腕の火傷が痛む。
亮さんは、私が高校二年生の時に私を襲い、タバコの火を私の腕に押し付けた。
何も言えなかった私、蛍ちゃんは腕の火傷に気づいて守ってくれた。
亮さんに会わせないように家に泊まりにきたり、帰り道もずっと傍にいてくれた。
でももう……
私を守ってくれる人は誰もいない……
だから怖い…
一人でいると思い出してしまう。
蛍ちゃんが消えたあの日の事、亮さんに襲われたあの日の事……
「怖いよ…蛍ちゃん……」
布団を引き寄せて頭まで被る。
そのまま目を閉じた。
どうか今日は……
今日こそは……
嫌な夢を見ませんように…